教員採用試験

公務員試験と教員採用試験は両立できる?試験や難易度の違いを解説

教員採用試験 公務員試験 両立

『公務員試験と教員採用試験は似たような内容ですか?どちらが難しいですか?両立は簡単ですか?』

そう思う大学生の方、転職を考えている方多いのではないでしょうか。結論からいうと公務員試験と教員採用試験は『全く異なる試験』だと思ってください。もちろん両立はできます。実際、両方受験して両方合格した人もいます。しかしその分努力をしているから合格できたのです。

今回の記事では「公務員試験と教員採用試験は両立できる?試験や難易度の違い」について書いていきます。

公務員試験の種類と日程

まずは公務員になりたいと考えたときに「どの公務員」になるかを考える必要があります。公務員といっても〇〇省や国税職員として働く国家公務員や都道府県・政令市の職員、市町村職員、警察官、消防官として働く地方公務員があります。

なりたい公務員によって試験の内容や難易度は変わります。まずはどういった公務員として働きたいのか考えてみましょう。

平成30年実施公務員試験の主な日程は下記のとおりです。

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日程が違っていれば併願受験(複数受ける)することができます。

教員採用試験の種類と日程

教員になりたいと考えたときに「どの校種で、どの教科を指導したい」のか考える必要があります。それに応じて教員免許が取得できる大学に入学する必要がありますね。

公務員試験は年齢制限と学歴の条件を満たしていれば誰でも受験できますが、教員採用試験は教員免許を所持していないと受験することができません。

平成30年実施教員採用試験の主な日程は下記のとおりです。

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見て分かるとおり、公務員試験と教員採用試験の日程は、ほとんど重なることがないため両立して受験することは可能です。

公務員試験と教員採用試験 試験の違い

公務員試験、教員採用試験どちらも就職試験のひとつなので筆記試験と面接試験があります。勉強することも重要ですが、どちらも人物重視の選考方針をとっていることを意識しておきましょう。

公務員試験の筆記試験(難易度)

前述したとおり公務員は国家公務員と地方公務員(県職員、市町村職員)に分かれます。筆記試験の内容と難易度(レベル)も職種によって異なります。

難易度は国家公務員>県・政令市職員>市町村職員の順番になります。

公務員(国家公務員)試験の内容

基礎能力試験(教養試験)、専門試験、論作文、専門論述、個人面接が実施されます。

基礎能力試験(教養試験)は知能分野(文章理解、判断、数的推理、資料解釈に関する能力を問う出題)と知識分野(時事、社会、人文、自然に関する一般知識)から出題があります。

専門試験は憲法、民法、行政法、経済原論等から出題があります。

公務員(都道府県・政令市職員)試験の内容

目指す都道府県・政令市によって試験内容は異なりますが一般的に教養試験、専門試験、論作文、個人面接、集団討論等が実施されます。教養試験は知能分野と知識分野から出題があります。専門試験は憲法、民法、行政法、経済原論等から出題があります。

公務員(市役所職員)試験の内容

目指す市町村によって試験内容は異なりますが一般的に教養試験、論作文、個人面接、集団面接、集団討論等が実施されます。教養試験は平成30年実施の試験より新教養試験として実施されます。

公務員試験の新しい試験

平成30年(2018年)実施の試験より7月、9月の市町村職員採用試験を中心に試験内容が従来の公務員試験と変更する通知がありました。主な試験内容は下記の3とおりdす。

公務員試験 Standard-Ⅰ・Ⅱ

今までの公務員試験と同じ教養試験です。知能分野20問(文章理解、判断、数的推理、資料解釈に関する能力を問う問題)と知識分野20問(時事、社会、人文、自然に関する一般知識

を問う問題)から出題されます。多くの市町村がこのタイプを採用すると思われます。

公務員試験 Logical-Ⅰ・Ⅱ

知識より論理的思考力等の知能を重視する試験です。知能分野27題、知識分野13題(自然分野を除く)から出題されます。公務員試験で苦手な受験生が多い知能分野の出題が増加している点がポイントですね。

公務員試験 Light

民間企業の選考試験で使われているSPIに近い試験です。

「社会への関心と理解」「言語的な能力」「論理的な思考力」から計60問出題があります。試験時間が75分と短いことから速答が求められています。

民間企業と併用を考えている人にも受験しやすい試験のようです。

公務員試験 問題(過去問)

知能分野<数的推理>

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知識分野<政治>

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専門試験<民法>

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教員採用試験の筆記試験(難易度)

目指す都道府県・政令市によって異なりますが、一般的に教養試験(教職教養、一般教養)、専門教養、論作文、個人面接、集団面接、集団討論、模擬授業等が実施されます。

教養試験は教職教養(教育原理、法規、心理、史)と一般教養(人文、社会、自然)から出題されます。専門教養は目指す教科の科目(国語や社会等)から出題されます。

教員採用試験 問題(過去問)

教職教養<教育原理>

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一般教養<数学>

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専門教養<小学校>

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公務員試験と教員採用試験 人物試験の違い

公務員試験(市町村職員)

1次試験:面接試験の実施少ない
2次試験:集団面接、集団討論等
3次試験:個人面接

教員採用試験

1次試験:集団面接
2次試験:個人面接、集団討論、模擬授業等

公務員試験(個人面接)主な質問内容

1.学生時代に成功したことについて。

2.学生時代に失敗したことについて。

3.困難にぶつかったとき、どのように解決したのか。

4.希望ではない部署に配属された場合について。

5.市役所では様々な仕事があるが、前職での経験をどのように活かすか。

6.今までどのようなアルバイトを経験してきたのか。

7.組織の中で仕事をするうえで、これは一番役に立つという強みは何か。

8.なぜこの市なのか。

9.○○市の魅力について。

10.○○市のイメージについて。

11.市役所にどのようなイメージを持っているか。

教員採用試験(個人面接)主な質問内容

1.新学習指導要領で改訂された内容は何か。

2.新学習指導要領に改訂された理由・背景は何か。

3.自分が子どもだったころと今の子どもたちの違うところはどこか。

4.今の子どもたちの良い点と悪い点はそれぞれどこか。

5.長所や大切にしていることは何か。

6.あなたが教師に向いている強みは何か。

7.先生になろうと思った理由は何か。

8.保護者から「あなたの指導が間違っている」と電話があった。どう対応するか。

9.保護者に「授業が悪い」と言われたらどう対応するか。

10.いじめにどう対応するか。

11.なぜ○○県の教員を志望するのか。

このように公務員試験では自己PRや志望動機がメインに質問されますが、教員採用試験は加えて教育に関連する問題や指導方法について問われます。

筆記試験の対策に加えて教育観や指導方法についても考えておく必要があります。

評価の観点も「協調性」「倫理観」等は共通していますが教員採用試験は「教育観」「教師論」等も評価されます。

公務員試験と教員採用試験の勉強は両立できるのか

両立はできるが、多くの時間と努力が必要。

合格するまでの勉強期間の平均が国家公務員が1年、地方公務員、教員採用試験が1年~半年程度です。

例)第1志望は国家公務員一般職、併願で教員採用試験 東京都の中高社会を受験する場合

勉強が必要な科目は

国家公務員:基礎能力試験16科目、専門試験最低8科目=24科目
教員採用試験:教養試験4科目、専門試験社会5科目=9科目
をそれぞれ勉強する必要があります。

例)第1志望教員採用試験 神奈川県の中学国語 第2志望が神奈川県内の市役所

勉強が必要な科目は

教員採用試験:教養試験20科目、専門試験国語3科目=23科目
公務員試験:教養試験18科目
をそれぞれ勉強する必要があります。

公務員試験と教員採用試験 共通する科目はないのか

公務員試験の一般知識と教員採用試験の一般教養は国語、数学などの科目から出題されるため一見、代用できる気がしますよね。しかし重要科目が公務員試験と教員採用試験では異なります。

公務員試験の一般知識重要科目は「政治、経済、社会」です。市役所職員試験では7問出題があります。教員採用試験では出題がない年もあります。出題があっても1~2問程度しかありません。

一方、教員採用試験の一般教養重要科目は「国語、数学、英語」です。神奈川県の場合12問出題があります。公務員試験では数学1問しか出題がありません。

※教員採用試験の国語や英語は漢字や四字熟語、文法がメインです。公務員試験では文章理解で現代文・古文、英文の長文読解が出題されています。

このように公務員試験と教員採用試験は同じ科目でも対策内容が異なります。社会科目や理科科目は全範囲を学習するなら覚える知識は同じため代用は可能です。しかし頻出分野は異なることは理解しておいた方がいいでしょう。

例)公務員試験日本史 どの試験も共通して江戸、明治が頻出

例)教員採用試験日本史 受験先によってバラバラ

公務員試験と教員採用試験の難易度(レベル)、むずかしさ

筆記試験の難易度

国家公務員>県・政令市職員≧教員採用試験>市町村職員

市町村職員試験のように出題科目が教養試験のみの場合、勉強対策をあまりしていなくても合格することはよくあります。センター試験対策をしっかりしていた国公立の大学生にとっては簡単に見えることもあります。

しかし、教員採用試験や国家公務員レベルになると専門試験があるためある程度の対策は必要となります。

人物試験の難易度

教員採用試験≧市町村職員≧県・政令市職員>国家公務員

公務員試験も教員採用試験も人物試験重視の選考に切り替わってきています。

例えば教員採用試験の場合、1次試験の点数は2次試験に持ち越さず2次試験の結果のみで合否を決める県・政令市が増えています

公務員試験も筆記試験と面接試験の点数割合が1:2~3が一般的になりつつあります。国家公務員のみ筆記試験の配点が高いです。

例)国家公務員一般職 筆記:面接=6:2

全体的に低倍率なのは教員採用試験です。地区によっては2倍をきる自治体も増えています。

公務員試験(事務)で2倍をきる地区はありません。

例えば福岡県の平成29年実施試験では教員採用試験の小学校は1.6倍、公務員の行政は11.5倍です。全体の倍率も教員採用試験は3.2倍、公務員試験は7.1倍です。

一般教養のレベルをみると公務員試験は高校1年~センター試験レベル。教員採用試験は中学1年~センター試験レベルの出題範囲です。簡単な問題が教員採用試験の方が多く出題されています。

教員免許を持っていれば有利になる?

「教員免許を持っていれば就職に有利になる」と思って教員免許をとろうと考えている人もいると思いますが、教員になる以外に使い道はありません。

履歴書に書いておいても必ず面接官に『なんで教員にならないのに免許を取得したのですか』と聞かれます。嫌味な面接官にあたると『教員免許の取得には税金がかかりますが、それについてどう思いますか』『教員にならないのに免許を取ったんですね。税金が無駄になると思いませんか』といった質問をよくされています。

就職で役に立つ場合は塾や予備校に就職するくらいですね。

公務員試験と教員採用試験を兼ねている予備校

試験についての情報や対策は専門予備校に聞いたほうが簡単ですよ。 全国規模の予備校は「資格の学校TAC」や「東京アカデミー」が有名です。 説明会や資料請求をしてみてはいかがでしょうか。一人で悩むよりすぐに悩みを解決できますよ。

まとめ

公務員試験と教員採用試験はまったく異なる試験です。そのため目指す試験に応じた対策が必要です。試験日程は重なることが少ないため両方を受験することは可能です。しかし、傾向や内容は違うため半端な気持ちでは難しいです。

ABOUT ME
3年C組かえる先生
3年C組かえる先生
大学受験予備校及び資格学校予備校で学生や社会人を相手に指導している、元中学・高校教師。 『大学受験ブログ』『予備校講師の魅力ブログ』『公務員ブログ』を運営、多くの若者たちの夢を叶えるために教示。
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