2019年(令和2年度)の教員採用もすべて終了しました。
受験者数は昨年(2018年)より約5,000人が減少し13万人強となっています。
2013年の18万人をピークに年々減少しており、自治体によってはまともに選考試験が行えないといった影響も出始めています。
教員になりたい側からすると、倍率低下によって合格できるチャンスは増えるので良いかもしれませんが、教員の質という意味では悪影響です。
では、実際に倍率が低下することによって、どんな影響がでるのか解説していきたいと思います。
教員採用 倍率低下によってもたらせられる影響
倍率が下がることによって起こりうる問題は次の2つ。
- 受験者確保による自治体間の競争
- 教員の質が低下
受験者確保による自治体間の競争
結論からいえば、受験者確保のために試験を簡素化する傾向が強まっています。
試験対策って面倒ですよね。
働きながら、学校に行きながら筆記試験や面接試験の対策をしなければいけないので面倒だと思います。
余談ですが、教員採用の試験内容は、
- 教養試験
- 専門教養
- 個人面接
- 集団面接
- 小論文
と、少なく見てもこれだけあります。
これらの試験を半年~1年を使って対策していくわけですが、受験者側からすれば負担はかなりのもの。
できるだけ負担は減らして合格したいと思うはずです。
そういった心理を逆手にとって、試験内容の見直しが自治体で行われているのです。
最近でいえば福岡市が専門試験の廃止をしています。
実際に指導する科目の試験なのでできて当たり前、試験をするまでもないってことでしょ
うか。
宮城県では模擬授業を廃止して個人面接を2回に増やしているような自治体もあります。
大学生からすれば未知数の模擬授業をされるよりはイメージしやすい個人面接に変えてもらったほうが受験しやすいですよね。
しかし、受験者を確保するために試験を減らすことに意味があるのでしょうか。
試験が簡単になればなるほど総合的に評価をつけることは難しくなると思います。
それが2つめの問題につながります。
教員の質が低下
これは度々協議になりますが、試験が簡単になることで合格者の質=教員の質が低下することになります。
今までは、筆記試験があって、面接試験も数種類あって合格者を選別していました。
例えば筆記試験を例にあげると、専門教養で60点も取れない受験者が合格することがあります。
これは個人的な意見ですが、もし僕が保護者だったら不安になります。
だって科目を教える側の先生が知識を持っていないわけですからね。そういった先生が講義をするってなると不安になりますよ。
面接試験を廃止することも同様です。
最近は教員の不祥事でよくニュースになるじゃないですか。
面接試験ではそういった不祥事を行さなそうな人間を見極めるために行っていると思います。
そんな試験を廃止することでより危険人物を合格させてしまう恐れにつながる可能性があります。
教員の希望者を増やす方法
教員の仕事に関する悪イメージを払拭することです。
アンケート調査によると教員=ブラックというイメージがかなり強いです。
また生徒=神様みたいな風潮もよくないですね。
いくら正しい教育をしていても、生徒が少しでも嫌って保護者に言ったら大事になりますからね。
- 仕事はきつい。
- 保護者対応に追われる
こういったイメージをなくすことが教員志望者を増やす一歩だと思います。
最近は働き方改革によって部活動の廃止や科目担任制など教員の負担を減らす制度や見直しが増えています。
こういった状況がこれからも続いていけば悪いイメージはなくなっていくと思いますよ。